私、ふくちゃんとパートナーのタムタムはオーストラリアで一つ屋根の下で生活を共にしていますが、入籍はしていません。
そもそもオーストラリアやタムタムの出身国マレーシアには「戸籍」という概念がないので、「籍を入れる」と言葉がここでは無意味なのです。
ちなみに戸籍制度がまだ残っている国は日本、中国、台湾。(韓国は2008年に廃止)世界的にみてもかなり珍しい制度と言えますよね。
国際カップルが日本でちゃんとした手続きをするとなると、
私が日本に帰って、
- 「戸籍筆頭者」になる手続きをして、
- タムタムがマレーシアの公的機関で「結婚要件具備証明書」という早口言葉みたいな書類を取得して、
- それを日本語に翻訳して、
- 大使館だの領事館だのに提出して、でもってマレーシアの公的機関に提出する書類があって。。。
う~ん、ここまでする意味があるのだろうか?
私たち、普段はオーストラリアにいるのに。
もくじ
シンプル極まりない事実婚(De Facto)を選んだ

というわけで、面倒なことが大嫌いな私たちは、最近、日本でも市民権を得てきた「事実婚」というスタイルで暮らすことを決めました。
事実婚はラテン語で「事実上の」という意味の「De facto」(デファクト)という言葉が使われます。なので、私たちは、「De facto marriage」とか「De facto couple」に分類わけされます。
オーストラリアでの公的機関の届け出は「結婚の登録」と「パートナシップの登録(事実婚)」の2種類があり、私たちは手続きがより簡単な方の後者を選んだわけです。
届け出は義務ではありません。万が一、何かあったとき、「身内」として証明できるものがあった方がいいかもね、っていうのが一番の理由でした。
事実婚のメリット1:挙式をしなくてもいい
オーストラリアで婚姻関係を結ぶ場合、婚約の時点で「私たち、結婚します!」という意思を州政府が管轄する機関「Registry of Births,Deaths and Marriages」に伝え、結婚執行の資格を持った人のもと、挙式をする必要があります。
。。。面倒くさいじゃないですか。
大なり小なりの「お式」が義務なんです。
女性は憧れるのかもしれませんが、私は式を挙げるより1か月くらいバリ島で自堕落に過ごす方が魅力的です。
事実婚のメリット2:離婚の手続きが簡単
法律婚の離婚は手続きが煩雑で、1年以上かかります。それに比べて子無し事実婚は「関係が壊れました」という書類を提出するのみ。日本の離婚届と同じような感じですね。
財産分与などの夫婦同等の権利は与えられるので共有財産はきちんと法律で守られます。
別れる前提で一緒に住んでいるわけではないけど、法律でぎちぎちに縛られるよりも、事実婚は自由だし柔軟性があります。
思いがけない事態になってしまったときも、フレキシブルに動きが取れる方が精神的にも楽なのではないでしょうか。
事実婚のメリット3:パートナーの実家との付き合いが希薄
パートナーの実家との付き合い方は各カップルによりますが、私たちの場合はかなり希薄です。
普段から、できるだけ人に会わずに過ごしたいと思っているので、姑や義兄弟、親戚との集まりに顔を出さなくても、それほど咎められないというのは私にとって最大のメリット。
(彼の親族が嫌い、という意味じゃなくて、これは私の性格の問題)
タムタムが「マレーシアに帰るけど一緒に行く?」と誘われても、
「ううん、行かない」とあっさり答えられる今の関係が心地良い。
事実婚のメリット4:相手に対する不満がでにくい
正式な婚姻関係がないので、同居してるといっても「がっつり身内」というわけではありません。それが不安要素になる方もいるかと思いますが、「ちょっとだけ他人」の感覚があると、良い関係が築くことができます。
些細なことでも「ありがとう」とお互い感謝をしますし、荷物は全部持ってくれます。ご飯やコーヒーは自分のお財布から出してくれます。
身内からの甘えから自然と出てくるぞんざいな態度が今のところはありません。
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お互い不満に思うことがあれば、同居を解消するだけのことなので、「離婚が面倒くさいから一緒にいる」という不毛な人間関係とは無縁なのです。
事実婚のメリット5:別姓が当たり前
オーストラリアの法律では事実婚のケースも苗字を変更することができますが、ほとんどのカップルは別姓を選んでいます。
相手の苗字になるからといって、そこに主従関係が生まれるわけではありません。しかし、自分の慣れ親しんだ苗字を捨てる、という行動に疑問を感じてしまうのです。
ちなみに、「ふくちゃん」も「タムタム」も苗字からのハンドルネームです。
オーストラリアの事実婚のクーリングオフ制度
事実婚の手続きの際、簡単な面接がありました。
そこで説明されたのが、クーリングオフ制度。
申請書類を提出してから28日間は「事実婚」という契約に対しクーリングオフができる、というものです。
28日間を経過してから、晴れて事実婚の関係が正式に成立するのです。
この制度には少々驚きました。
最後に
法律婚、事実婚、別居婚、週末婚、同性婚、それぞれが、それぞれのスタイルで幸せのかたちを選べる良い時代になりました。
私たちは極度の面倒くさがりなので簡単な事実婚を選びましたが、正しい選択だったと思います。
「だめだったらクーリングオフだ」と勢いで始めた2人の暮らしは今年で何の問題もないまま丸5年となりました。