香取慎吾主演ドラマ【ドク】東南アジア人への差別表現が胸クソ悪くトラウマレベル

20年前、1996年、まだ私が日本で暮らしていたころ、夢中になって見たドラマが香取慎吾さんがベトナム人の青年を熱演した「ドク」でした。

 

再放送もDVD販売もNGとなっているので、今の若い人たちはこのドラマの存在を知らないのではないでしょうか。

 

また「ドク」が見たくなって2日でいっきに最終話まで見てしまったのですが、久しぶりに気持ちが揺さぶられ、胸が張り裂けそうになり、このドラマを作成したスタッフに対して嫌悪感すら抱きました。

 

慎吾ちゃん演じるベトナム人青年と安田成美さん演じる日本語教師との淡い恋愛ストーリー、、、、と言えば聞こえが良いのですが、私はドラマ中の「東南アジア人」の扱われ方について心の底から悲しくなりました。

 

日本人の無知、奢り、バカさ加減を堂々と公共の電波にのせて視聴者に届けた罪をもみ消すがごとく、再放送もDVD化もされず、この作品が世の中から抹消されかけているように感じます。

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まずは「ドク」のあらすじをざっくりと

29歳のOLの雪(安田成美)は友達を訪ねてベトナム旅行へ行きました。交通量の多いホーチミンの大通りをなかなかわたることができず困っていたところに、ベトナム人のドク(香取慎吾)に助けられます。

 

そして、東京に戻り、雪は日本語教師をめざし猛勉強の日々を過ごします。就職先の日本語学校の生徒ととしてドクと運命的な再会をするのでした。

 

外国人留学生が日本で懸命に夢や目標に向けて必死に頑張る姿に対し、心ない言動をあらわにする登場人物もいます。フィクションだとわかっていながら、

 

ヾ(*゚Д゚) ふざけんなよ、責任者、ちょっと表出ろ!

 

と心の中で叫びたくなるシーンが多々ありました。

耳をふさぎたくなった東南アジア人への差別発言

このドラマが放映されていたころ、私は日本で専門学校に通っていました。「海外」にはぼんやり興味はあったものの、日本以外の国は自分には関係のないものだと思って生きていました。

 

だから、当時ドクを見ても、「ベトナム人ってイケメンで親切なんだな」という単純な感想しか持てなかったけど、今、このような問題作が普通に放映されたら、きっと苦情の電話をテレビ局に入れる面倒くさいおばさんと化していたと思います。

 

ドラマ「ドク」の中では以下のような描写がありました。

 

ドクがゴミ置き場にあった自転車を拾って使っているのを警察が見つけ、有無を言わさず事情聴取、そして、「東南アジア人の犯罪が多いから」と言い放ちます。

 

不良グループのケンカに巻き込まれたときも、警察はドクだけに対し悪意の目を向けます。

 

理不尽な理由でアルバイトを首になります。

 

日雇い派遣で工事現場で働いた時も仕事内容は同じなのに、「外国人は給料が少ない」と日本人労働者は言います。

 

ドクとの関係を雪のお母さんは反対します。

 

、、、、、、、その他にも外国人、特に東南アジア人をさげすむ雰囲気はところどころに感じられ、20年前のドラマとはいえ、しつこいくらいに東南アジア=貧しい国と印象付けるのはとてもおかしい。

本当の豊かさ・貧しさって何だろう?

アジア圏だけで比べると、マカオ、香港、シンガポール国民一人当たりののGDPは日本のそれを軽々と抜いています。その他のアジア諸国が日本のGDPに追いつくのも時間の問題ではないでしょうか。

 

さらに、国連が発表する「世界幸福度ランキング」では日本は155か国中、51位。マレーシア、シンガポール、タイより下位に位置しています。

 

数字で見ると、日本はたいして豊かな国ではないし、日本以外のアジア圏が貧しいとは決して言えません。

 

衣食住が足りれば、精神的な豊かさを人は求めます。それは家族の繋がりであったり、充実した1日を過ごしてぐっすり眠ることだったり、目標に向かって無我夢中で走り続けることであったり。

 

私はそんな目に見えない幸せの形を東南アジアを旅するなかで、東南アジア人とのパートナーとの生活のなかで、常に感じています。

 

豊かさは物質的・経済的なことではなく、世間が決めた幸せのお手本に従うことでもなく、「自分にとっての豊かさ」を実現できている状態。

 

貧しさとは、世間や誰かが決めた価値観に従いながら、常に欠乏感を抱きながら生きている状態。

 

そう考えるとですね、私は日本は貧しい国だなぁって思うっちゃうわけですよ。あれだけモノがあふれかえっている国なのに、人々は「まだ足りない」という気持ちで、次から次へと買い物をして、なんだかモノで心の隙間をうめているようにしか見えないんですよね。

 

それに、ドラマ「ドク」の中では外国人に対して先入観や偏見を持った日本人がでてくるんですが、「日本という小さな島の偏った考え方にとらわれている人」としか見えなくて、怒りとともに「貧しい人だな」と思ってしまいました。

「差別」は無知と嫉妬から生まれる

恥ずかしながら、ベトナムやマレーシアやカンボジアといった東南アジア諸国は、「日本より田舎でのんびりしてて、田んぼが多くて果物がおいしい」と実際に訪れる前は勝手なイメージを持っていました。

 

合っているのは「果物がおいしい」だけで、東南アジアの首都の街はそりゃぁもうキラキラ輝いていて、Wifiもあっちこっちに飛んでいて、Uberも普通に使えるし、スーパーのレジのおばちゃんでさえも英語で接客してくれて、便利さや過ごしやすさで考えると、「東京の負けだな」と思います。

 

フィリピン、シンガポール、マレーシアであれば、どこでも英語が通じるし、ベトナムのホーチミンでのトランジットの時もコミュニケーションで困ることは全くありませんでした。

 

外国人とのコミュニケーションという点では、日本人は完敗です。

 

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ということを、「現地に行ってみないとわからない」「現地の人と接してみないとわからない」のに、知ろうとしないのです。

 

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知らない人たちがおかしな先入観や偏見を持つのです。

 

そして、能力の高い外国人に仕事を奪われることを恐れて、腹いせにアジア人を差別する、という現象も少なからず起きます。私たちの住むオーストラリアではよく聞く話です。

 

「ドク」は、母国語のベトナム語はもちろん、英語も話せることを示唆するシーンもありましたし、さらに日本語を勉強し、数学の家庭教師も依頼され、早稲田大学への入学も決まっているという設定でした。そんじゃそこらの日本人じゃ太刀打ちできない有能なベトナム人です。(しかもイケメン)

 

そして、ドクはちゃんと将来の夢があり、その夢のためにそりゃぁもう一生懸命になっているわけですよ。雪が仲良くしていた幼馴染の日本人男性より、ドクに気持ちが傾いてしまうのもうなずけます。

「ドク」から20年後の現在、東南アジアと日本の関係

  • タイ、マレーシア、インドネシア人の日本入国への観光ビザを緩和。東南アジア人は日本にとって大切なお客様
  • ベトナムを訪れる日本人観光客は年間70万を突破
  • カンボジア、ラオスの経済成長率は毎年7%超えで推移。投資家たちが期待を寄せる国へ成長。
  • 若者の間では留学先としてフィリピンが人気
  • 有能な日本人はシンガポール就職を目論む
  • 中高年は住みやすいマレーシア移住を希望する

 

近年の日本では考えられない経済成長を遂げ、魅力的な観光資源とビジネスチャンスに恵まれている東南アジアの国々は日本人だけでなく世界中の人々が引き寄せられる場所となりました。

 

難しいことはよくわかりませんが、とにかくすごい勢いで成長し、優秀な人材を輩出し、それなのに人々はなんだか楽しそうに生きている。それに気づいた日本人はどんどん東南アジアに観光・留学・移住・就職をする時代となったわけです。

ドラマ「ドク」は再放送もDVD販売もしていません

本当の理由はわかりません。

きっと、私のように嫌な思いをした人たちからの苦情が殺到したのではないでしょうか。ドクが日本留学中にうけた心ない仕打ちにドラマといえども私は許せなかったし、こんな演出をするドラマ制作にかかわる人たちはバカじゃないか、と本気で思いました。

 

※VHSでは販売していますが、今どきビデオデッキを持っている方はほとんどいらっしゃらないですよね、、、

 

じゃ、私はどうやって「ドク」を見たかというと、Youtubeです。

 

ベトナム人の利用者がベトナム語の字幕付き1話から最終話までアップロードしています。カタカナではなくアルファベットで「Doku」と検索してください。Googleからのスポンサーでブログ運営をしているので、公式チャンネル以外の動画の紹介はおおっぴらにできない大人の事情があります。

まとめ

ドラマの中で、雪のお父さんが、「ドクのことをベトナム人だと意識し過ぎだ。彼は20歳の青年じゃないか」というセリフがあります。

 

そうなんですよね。私たちは島国で育ってしまったので、外国語も苦手なこともあり、外国人に対して「あの人は●●人だから」「彼は△△人だから」というメディアに操作された先入観で、人や出来事の本質を見ることが苦手です。

 

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雪のお父さんは当たり前のことを当たり前のこととして、ちゃんととらえることができるニュートラルな人なんだなぁと感動しました。

 

相手が日本人だろうと、外国人であろうと、その人をよく知らないのにもかかわらず見下す態度をとって優越感に浸ることほどバカバカしいものはありません。

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ふくちゃん

海外在住引きこもりブロガー
静岡県からオーストラリア・シドニーへ海外移住した元保育士。現地での仕事を辞めて、ゆるゆると心地良い引きこもり生活の真っ最中。事実婚パートナーの中華系マレーシア人との適度に適当な暮らしをブログで綴ります。

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