海外留学やワーキングホリデーで海外生活を始められるみなさんは、まず住むところを探さなければなりません。
「シェアハウス」「シェアアコモデショーン」「シェアフラット」(Flat=アパートやマンションの意)と呼ばれる、複数人で一軒家やアパートをシェアして住む方法が一般的です。
予算に余裕がある方は自分ひとりで住むこともできますが、日本より物価の高い国、たとえば私が住むオーストラリアでは現実的ではなく、社会人でもシェア生活をしている方も珍しくありません。
現在、パートナーのタムタムと2人でアパートを借りています。空いたお部屋はシェアメイトに住んで頂いています。
ワーホリ・留学生の頃はもちろんシェアをしていました。いろいろな国の人と住み、楽しかったこともあれば、不便なこともあったりで、シェア生活を通じ英語だけでなくたくさんのことを学ぶことができました。
生活の中で重要となる住環境。
シェアハウスは住んでみなければわからないことだらけ。
「こんなはずじゃなかったのに」と後悔しないように、入居前のチェックすべきポイントについて、今はシェアオーナー、昔はシェアメイトだった立場からお話したいと思います。
もくじ
何人で住むの?

リビングルームやサンルームにまでシェアメイトを入居させ、不動産屋との契約の際に決められた入居人数をオーバーしているシェアもあります。
不動産屋が定期的に行うインスペクション(不動産屋のスタッフが物件を見に来て、メンテナンスが必要な部分などをチェックする)の日に、
「〇時に不動産屋が来るから家にいないで」「荷物を整理しておいて」と、突然オーナーから言われる、なんてことも。
そのような物件のシェアの場合、鍵もシェアしなければならいケースもあり、大勢のシェアメイトに対しバスルームが一個しかなかったり、なにかと面倒。
シティ(市内中心)に住みたいから、大人数でのシェアでもOK!という方もいますし、寝に帰るだけだから安ければ安いほどありがたい、という方もいます。
個人的には少しだけ郊外にでれば、シティのルームシェア(一つのお部屋を複数人でシェア)と同じ家賃で、オウンルーム(個人部屋)が借りられます。
落ち着いて住みたい方はシティから少し離れたところで物件探しをされてみてはどうかなと思います。
ハウスルールが細かすぎるのも考えもの

他人との共同生活なのでルールは必要です。
「友達や彼氏を家につれてこない」「掃除当番」「シャワーは〇分以内で」「トイレットペーパーは順番に買う」などは、よくあるルールです。
ただ、ちょっと細かいオーナーだと、
「え、そんなこともルールなの?」とかなりこまごまとルールが設定されています。
友達から聞いた話では、
「匂いが染み付くからカレーの調理禁止」
「台所の使用は〇時から〇時まで」
「洗濯の回数」
入居前の下見では必ずハウスルールを確認してくださいね。
ルールがない自由すぎるシェアもトラブルが起こりやすいので、自分の納得するルールを設定しているシェアを選びましょう。
ちなみに我が家のハウスルールは、
「友達を家に連れてくるのは歓迎ですが、私も仲間に入れてください」
「洗濯機は脱水の音が階下に響くので夜22時まで済ませてください」
「自室の換気、掃除をお願いします」
ルールだらけのシェアハウスだと「自宅なのにリラックスできない」「自宅なのに監視されながら暮らしているよう」と緊張しながらの暮らしになってしまうので、
「共同生活をお互い気持ちよく過ごせる」ちょうどいい具合のシェアハウスが理想的ですね。
オーナー夫妻が仲が良すぎたり悪すぎたりするときつい

シェアハウスによくあるパターンが、「夫婦(カップル)2人が、セカンドベッドルームをシェアメイトに貸す」というもの。
ちなみに我が家も同じ。私&パートナーがアパートを借り、空いている部屋をシェアメイトに使ってもらっています。
オーナー夫妻がいつもケンカばかりしている環境、その反対でやたらとラブラブで所構わずベタベタしているという環境。
どちらも微妙です。
シェアメイトからしてみたら、オーナーたちは夫婦(カップル)、自分はよそ者、と疎外感を感じながらの生活になってしまいますよね。
彼らがくつろいでいたら、なんとなくリビングには行きづらい、
彼らが何か作っていたら、なんとなくキッチンには行きづらい、、、、
そんなことが重なると生活がどんどん窮屈になっていきます。
本当、このケースはありがちです。
旦那さんも奥さんも働いていていてお互い自立した生活をしていたり、老夫婦のような関係が安定しているところであればまだましかもしれません。
あとは、ご夫婦の性格にもよりますね。これはなかなか下見の時点では見抜くのは難しいのですが。
シェアメイトが英語の勉強に付き合ってくれるわけではない

外国人と一緒に住めば、英語力がアップする、と期待されて外国人だらけのシェアハウスを選ばれる方もいます。
でもシェアメイトたちも仕事や勉強で忙しいので、毎日のように英語でのコミュニケーションがあるわけではありません。
彼らも自分を英会話レッスンに使われるのはあまりいい気分ではないので、「英語力アップ」はあまり期待しない方がよいかもしれません。
逆の立場で考えてみてください。
日本に留学中の留学生が毎晩のように「ねぇ、日本語教えて」と仕事帰りで疲れているあなたに頼んできたら、
「時々ならいいけど、毎晩はちょっとだるいなぁ」という気分になりませんか。
日常のさりげない会話のなかで、わからないことがあれば、
「それってどういう意味?」と軽く聞く、積極的に話を振る、くらいがちょうどいいと思います。
レント(家賃)だけではなく学校や職場までの交通費も考慮しよう

シェアハウス情報で気になるのはRent(家賃)
オーストラリアの場合1週間単位での家賃が表示されます。
日本の月単位の家賃表示に慣れていた私は、
「オーストラリアの家賃激安!」と勘違いして、1週間の家賃だと知った時は愕然としました。
留学生やワーキングホリデーの皆さんはシティの語学学校や専門学校に通うことがほとんどで、バイトもその周辺で探すことが多いです。
学校、職場までの交通費や通学時間もよく考慮してください。
オーストラリアの職場は交通費を支給しないので、家賃を抑えたのに交通費がかかりすぎるという現象も起こりえます。
シェアハウス周辺の「音」も気になるポイント

シドニーの場合、空港がシティから近いので飛行機の音がよく聞こえる地域があります。
そのような地域は窓が2重窓になっている家が多いのですが、音に敏感な方はそれでも気になるかと思います。
線路が近い家も朝から晩まで電車が通るたびに音に悩まされるので、シェアハウスの下見の際にオーナーにさりげなく、飛行機や電車の音について聞いてみましょう。
外国人シェアメイトが発する「匂い」

オーストラリアは多国籍国家なので、シェアメイトもオーストラリア人だけでなく、様々な国籍の人がいます。
そこで問題になるのが、各国の名物料理の匂い。
インドやネパール、中東系の香辛料やカレーの匂い、韓国のキムチの匂い、台湾の八角の匂い、イタリアのチーズの匂いが台所に漂います。
ちなみに日本人シェアメイトがいると醤油の匂いが漂う、と言われたことがあります。
各国の食文化はリスペクトすべきものです。
しかし、苦手な匂いのなか料理をしたり、ご飯を食べたりするもの毎日のことになると気分が沈みます。
下見の際に、お部屋やバスルームのチェックとともに、キッチンの匂いも要チェックです。
シェアハウスにオーナーの子どもがいるケース

子どものいるオーナー夫妻もしくはシングルマザーが、「子ども好きの方歓迎」とシェアメイトを募集しているケース。
オーストラリアは保育園の保育料がびっくりするくらい高いので、子どものいる家庭でもシェアメイトを募集し、家賃収入が欲しい親がけっこういるんです。
超主観ですが、「子どもが好き」かどうかは、その時の気分による、その子どもの性格による、というのが真実だと思うんですよ。
子どもの年齢にもよりますが、やっぱり早寝です。だから、夜、遅い時間の電話やテレビの音量も気を使うのです。
まだ善悪がわからない年齢の子だと勝手に部屋に入ってきたり、ベビーシッター扱いされたりすることもあるので、何かと面倒です。
親戚の子どもならまだしも、他人の子どもと一緒に住むというのは、私にとって不自然に感じるので、今まで子どものいるシェアハウスに住んだことはありません。
週末のパーティ事情

シェアメイトが若い独身の人たちばかりだと、週末のホームパーティが開催されることがよくあります。
もちろんハウスルールに「パーティ禁止」が定められているシェアもありますが、オーナーがみんなでワイワイするのが好きな方ですと、毎週末のように外から誰かが遊びに来る、ということも。
私の場合、初対面の人と話すのも苦手だし、週末は静かに過ごしたい派なので、騒ぎたい派のシェアハウスは避けていました。
パーティで友達ができたり、素敵な出会いがあったりするので、到着間もない方は交友関係を広げるツールとして、利用してみてください。
我が家では私、パートナー、シェアメイトの3人でご飯を食べることがよくあり、そのことを、作った料理にちなんで「お好み焼きパーティ」「おでんパーティ」「ラクサパーティ」と呼んでいます。
一般的に想像される「パーティ」とはかけ離れた地味さですが、少人数でまったりするのも楽しいですよ。
シェアメイトはどこの国の人?

多国籍シェアハウスは文化と文化のぶつかり合い、毎日が異文化コミュニケーションです。
刺激になる毎日を送れる反面、ストレスを感じることもあるでしょう。
例えば、家に上がるときに靴を脱ぐか脱がないか問題。
イスラム教徒がラマダン中(断食期間)に自分だけご飯が食べにくい問題。
某C国の声のボリュームがでかい問題、、、、などなど、気になりだしたらとことん気になる問題が日常生活にゴロゴロ転がっています。
一方、日本人のみのシェアハウスも存在します。
同じ文化で育ってきた人たちと暮らすのは楽といえば楽です。話せばたいていのことはわかってくれるじゃないですか、日本人同士だったら。
到着間もないころだったら、現地情報を日本人の先輩に日本語で聞けることは心強いですよね。
反面、「海外まできてなんで日本人とばかり過ごしているんだろう?」という気持ちも生まれてくるかもしれません。
どちらも長所あり短所ありなので、妥協点・落としどころを見つけてみてください。
私の場合、「お箸をつかってご飯を食べる国」の人たちとのシェアハウスは居心地がよかったです。
まとめ
お世話になったシェアオーナーさんや、我が家で暮らしてくれたシェアメイトさんとは、一緒に暮らさなくなってからも、ずっと連絡を取り合ってます。
「友達以上、家族未満」、そんな不思議な関係を自然と築くことができるのが海外のシェアハウス。
他人、ましてや文化の違う外国人と共同生活をするのは一筋縄ではいかないこともあるでしょう。
相手と自分の価値観をすり合わせ、受け入れ、心地よい生活を作っていく、という練習の場数を踏むことで、英語以外の何かを学べると思います。