この記事では海外在住者が「近親者の危篤」や「死別」「葬儀参列」など緊急で帰国が必要になった時、思い出してほしい航空会社が提供する「緊急帰国制度」についてお伝えします。
もくじ
航空会社の緊急帰国制度とは
航空会社によりますがBereavement Fares、Compassionate Fareという家族の生死にかかわる状況時に特別に利用できる割引された料金体系があります。
(Bereavement=死別 Compassionate=同情的な、憐み深い、情け深い)
料金体系だけでなく、帰りの日付を追加料金免除で変更可能など緊急事態の搭乗客をサポートする体制をととのえている航空会社もあります。アメリカの航空会社はBereavement Faresに関しては進んでいる印象です。
在住国から日本へ帰国する際に利用するエアラインの緊急帰国制度規定をあらかじめ調べておくと、いざというときに落ち着いて対応できますね。
緊急帰国制度の利用条件は各航空会社によって異なります。
- 対象(例:二等親までの近親者)
- 必要書類(例:病院・担当医師の住所氏名が入った証明書類、葬儀会場からの書類)
- 購入方法(例:後日、割引分の差額を返金、という場合も)
- 割引率
上記のような規定は航空会社によって違うので旅行会社では対応ができません。直接、航空会社に電話でお問い合わせください。
ANA・JALには緊急帰国制度がない
日系航空会社のANA・JALには緊急帰国制度はありません。
出発日当日まで国際線割引運賃の航空券が購入できるので、そちらをオンラインで購入する方法しかないようです。
私が暮らすオーストラリアの航空会社・QANTAS(カンタス)は国内線であればCompassionate Fareを利用できますが、国際線には緊急帰国の割引運賃はないとのこと。
緊急帰国制度がある主要航空会社
緊急帰国制度(Bereavement Fares)が利用できる主な航空会社を以下にまとめます。
- フランス航空(エアーフランス)
- ニュージーランド航空
- アメリカン航空
- コンチネンタル航空
- デルタ航空
- ルフトハンザ航空
- ユナイティッド航空
- バージン・アトランティック航空
※上記でもお伝えしましたが、必要書類や割引運賃の価格等は必ずお電話でのお問い合わせが必要です。
※ここで紹介されていない航空会社について航空会社にお問い合わせください。
★2018年5月現在の情報です。
緊急帰国制度がない主要航空会社
緊急帰国制度(Bereavement Fares)が利用できない主な航空会社を以下にまとめます。
- JAL
- ANA
- エアアジア
- エアチャイナ
- 中国南方航空
- 中国東方航空
- ブリティッシュエアウェイズ
- キャセイ・パシフィック
- シンガポール航空
- タイ航空
- ジェットスター
- 韓国航空(コリアンエアー)
※ここで紹介されていない航空会社について航空会社に直接お問い合わせください。
★2018年5月現在の情報です。
日本にいる家族の突然の不幸にそなえておくこと
緊急帰国にともなう各航空会社の対応は様々なので、私たちも突然の家族の不幸に対して準備しておく必要があります。
まだまだ先のこと、、、、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、家族みんなが元気な時ではないとこういうことって落ちついて考えられないですからね。
私は普段から以下の準備をしています。
- パスポートの有効期限の確認(有効期限が切れていたら出国ができないので話になりません)
- ビザの更新の確認(オーストラリアの永住権は5年毎の更新が必要。期限が切れても滞在はできるが、出国した際の再入国ができなくなってしまう)
- ビジネスクラスの航空券代(エコノミークラスは満席でもビジネスクラスでは空席があるケースが多いので)
- 日本円(空港から自宅まで、何かあった時のために数万円を現金でキープしています)
- 小銭、テレホンカード(空港や駅から自宅へ連絡する用)
お仕事をされている方は職場にBereavement leave、Condolence leave(忌引き休暇)の有無や取得方法などを確認しておくとよいかもしれません。(忌引き休暇があってもなくても日本に帰ることには変わりはありませんが)
まとめ
海外在住だからといって、完全に日本との縁を切ってしまった人は少数派のはず。ほとんどの方は日本に両親、兄弟、祖父母、親戚がいるかと思います。
日本にいる大切な人たちが元気な時に、「緊急帰国」のことを考えるのは少々不謹慎に感じてしまいますが、いざその時がきたら、私はきっと落ち着いて準備なんてできずパニックに陥ることでしょう。
1秒でも早く日本に到着するための準備をしておくことは海外在住者にとって必要なタスクの1つです。
駐在員や留学生・ワーキングホリデーの方は加入している保険で緊急帰国の渡航費がカバーされる可能性が高いので保険会社に確認してみてくださいね。