6月も終わりに近づき、オーストラリア在住の人々は「Tax Return」(確定申告)が脳裏にチラつく時期となりました。
日本では「3月が年度末」でもオーストラリアでは「6月が年末」
会計や税金に関わる「年度(Financial Year)」は、国によって異なり、オーストラリアでは、毎年7月1日から翌年6月30日までが1会計年度。
なぜオーストラリアは6月が区切りなの?についてお伝えします。
実は、イギリスから受け継いだ制度だった

オーストラリアの会計制度は、イギリスの仕組みを参考にして作られました。
そのイギリスでは、今でも4月6日から翌年4月5日までが「税務上の1年」とされています。
この日付、ちょっと不思議……なぜ4月6日という半端な日になった理由は、昔、イギリスでグレゴリオ暦(今のカレンダー)に切り替えたときの調整の名残。
旧暦と新暦のズレを補正した結果、こんな中途半端な日付になったそう。
でもオーストラリアは「月初スタート」に修正

イギリスの「4月6日〜翌年4月5日」方式、かなりややこしい。
企業が1年の決算報告をまとめるときに、事務処理が地味に面倒。
そこで、オーストラリアはこの制度をアレンジし、
「キリよく月初で始めよう」と、7月1日スタート、6月30日終了のわかりやすいサイクルが採用されました。
オーストラリアの農業や季節の事情も?

オーストラリアは南半球にあるので、日本とは季節が逆。
6月末はちょうど秋の収穫が終わったあと。かつては農業が経済の中心だったため、
「1年の実りをまとめて、7月から新しい準備を始める」
というサイクルが、経済活動としてもちょうどよかったと言われています。
また、政府の予算編成も7月にスタートするため、会計年度もそれに合わせて運用されています。
世界の会計年度をくらべてみよう

- オーストラリア:7月1日〜翌年6月30日
- 日本:4月1日〜翌年3月31日
- アメリカ:1月1日〜12月31日
- イギリス:4月6日〜翌年4月5日
こうして見ると、世界中が同じというわけではないことがわかります。
その国の歴史や産業構造に合わせて、ベストな形を選んでいるんですね。
まとめ
「なんで6月がオーストラリアの年末なの?」という素朴な疑問の背景には、イギリスの歴史・季節感・経済サイクルという、いくつもの事情が重なっていました。
オーストラリアに住んでいると、6月は「なんとなくソワソワする」月。
家計やビジネスの区切り、EOFYセール(年度末セール)確定申告の準備など、1年の締めくくりの意味を持ちます。
さて、そろそろ確定申告の準備するかー!!