飛行機に乗ると必ずといっていいほど出会ってしまう、機内食の 「炭水化物コンボ」
ごはん、パン、そして麺類、時にじゃがいも。
「炭水化物祭り!?」と思ったこと、ありませんか?
機内食に炭水化物が多いのは航空会社の趣味ではなく、空の上という環境に関係しています。
最近は、
「いや、そんなに炭水化物いらんのよ…」
という搭乗客のために、特別機内食や機内食そのものをスキップするサービスも登場。
この記事では、
- そもそもなぜ機内食は炭水化物が多いのか?
- 代わりにどんな選択肢があるのか
を、空の上の科学と現場の事情を交えつつわかりやすくお伝えします。
もくじ
機内食が炭水化物中心になる5つの理由

ポテト、お蕎麦、パンの炭水化物が3つ揃いました
上空では味覚が鈍る
飛行機の中では人間は「味オンチ」になるという事実があります。
気圧と乾燥の影響で、塩味・甘味が弱く感じられる性質が私たちにはあるそうです。
つまり、地上レベルで普通の味を用意すると、空の上では
「なんか…味しなくない?」
ってなる。
(参照URL:Food Service REP-The altered palette at high altitudes: why food and wine taste different during air travel)
そこで頼りになるのが、味が分かりやすい米・パン・麺類・じゃがいも。
炭水化物は、味の吸収も香りの保持力も高いので、上空でも「食べた感」を出してくれるわけです。
保存・再加熱に強く扱いやすい
機内食は、
地上で大量調理 → 急速冷却 → 機内へ搭載 → 上空で再加熱
という長旅をしてから、やっと乗客の前へ運ばれます。
(参照URL:Airline Meal-Wikipedia)
この過酷な4ステップをクリアできる食材は意外と少数派。
肉は固くなりがちだし、魚もパサつく。
サラダはしんなり。
一方、炭水化物は再加熱との相性が抜群。
パンはふんわり、パスタもお米もいい感じ。
「安定した再現性」こそ機内食最大の武器 なのです。
世界中の人に提供できる「無難さ」
飛行機は国際色豊かな空間。
文化・宗教・食習慣の違いによって、避けるべき食材はかなり変わります。
炭水化物は、
- 好き嫌いが少ない
- 宗教的制約を受けにくい
- 世界共通で“主食”として認知されている
という圧倒的な安心感があります。
航空会社にとっても乗客にとっても「平和な選択肢」
コスト・調達・オペレーションが安定
航空会社が毎日用意するのは数百〜数千食単位。
「大量確保できる」「原価が安定」という炭水化物は、運用面でも最強クラス。
しかも、お腹にたまりやすく満足度が高いため、手頃なコストで満足度をキープしやすい=採用率が高いというわけです。
満腹感と安心感が高い
人間は炭水化物で“ほっ”とする生き物。(※わたし個人の感想です)
長時間のフライトでは、
「とりあえず何かお腹に入れて落ち着きたい」
という気分にもなります。
そういう意味で、炭水化物は「心理的安定剤」としても優秀。
特別機内食(Special Meals)で炭水化物控えめも可能

JALはお蕎麦率が高めですね
ベジタリアン・ヴィーガン・宗教対応
ANAやJALを含む多くの航空会社では、多種多様な特別機内食を用意。
例:
- ベジタリアン食
- ヴィーガン食
- イスラム教(ハラール)
- ヒンズー教
- コーシャーミール
宗教・文化・倫理観に合わせて選べるため、標準の炭水化物中心メニューが合わない人も安心。
アレルギー・健康・低カロリー対応
さらに、
- 糖尿病食
- 低脂肪
- 低乳糖
- 低カロリー
- アレルギー配慮食
といった「健康系スペシャルミール」も種類が豊富です。
炭水化物を控えたい人にも心強い選択肢です。
事前オーダー制で好みのメニューを選択
シンガポール航空やカタール航空では「Book the Cook」という予約式の高級機内食サービスも。
「機内でもちゃんと食べたい派」には天国のようなサービスで、炭水化物以外の選択肢も充実しています。
機内食を辞退する/不要にするサービス

たっぷりの白米を使用した天丼。おいしかったです。
近年、多くの航空会社で出発前に機内食の提供を辞退できるオプションが導入されています。
代表的な例としては、JALの「Meal Skip Option」やANAの「No Thank you Option」。
目的:食品廃棄の削減と、機内で自由に過ごしたい乗客への配慮。
利用者の例:出発前にラウンジで食事を済ませた乗客やフライト中に寝たい・仕事したいなど機内で食事を取らないことを好む人。
申し込み方法:航空会社の公式ウェブサイトで手続き可能。予約画面やチェックイン前のオプションメニューから選べる。
申込締切:出発の24〜25時間前までに申し込めるケースが一般的(航空会社によって締切時間は前後するので、予約画面で要確認)。
メリット:不要な食材の廃棄が減り、機内スタッフの配膳業務も効率化。乗客側は機内での時間を自由に使える。
次回フライトで「食べない予定」があるなら、出発前にサクッと機内食スキップを設定しておくとスマートです。
まとめ

軽食として提供された機内食もパスタとパンの炭水化物コンボ
機内食が炭水化物中心なのは、空の環境・保存・再加熱・多国籍対応・コストという複雑な条件を満たす合理的な最適解。
今は、
- 特別機内食
- 機内食を辞退
- 事前オーダー
といった多様な選択肢が増え、より自由な食事スタイルが可能に。
次のフライトでは、あなたに合った「空の食戦略」を選んでみてくださいね。


