Surry Hills(サリー・ヒルズ)の雑踏から少し足を踏み入れた裏路地、Richards Lane。
そこにひっそりと佇む入口、「Coffee」とだけ書かれたガレージ風の大きな開口。
ぱっと見た感じは倉庫かスタジオのような佇まい。

その奥には、静かで温かな空気をたたえたカフェ空間が広がっています。
もくじ
サリーヒルズのカフェ「Wilson Cafe」のコンセプト

Wilson Cafeはガレージスペースを活用して生まれた、社会目的型(profit-for-purpose)カフェです。
公式サイトによると、2018年にこの場所を取得し、社内アイデア公募を経てカフェ案が採択されたとのこと。
利益はすべて選定された慈善団体へ寄付され、Red Cross Australia(赤十字)や自閉症支援団体(Autism Spectrum)と連携し、隔月でチャリティ・イベントも企画されています。
Wilson Cafeの飲み物・食べ物

地元ロースター Little Marionette のブレンド豆を使うコーヒー、地元ベーカリーや社会企業と手を組んだペイストリー/サラダなど、素材・取引先も厳選。
重厚なランチやディナーを求める店ではありませんが、朝や午前中、軽めのブランチ・コーヒーブレイクとして訪れやすいメニューが揃っています。
価格帯は、
エスプレッソ系ドリンク(Espresso, Cappuccino, Latte, Flat White, Long Blackなど)がA$5.0 / 大きめサイズは A$5.50)
と、シドニーのカフェとしてはお手頃価格です。
その他、ペイストリー類はA$3.5~7、サンドイッチはA$14~
最新情報は公式サイトをチェックしてくださいね。
Wilson Cafeの空間デザインと素材へのこだわり

Wilson cafeは新しいものをむやみに使わず、リサイクル素材・再利用素材を最大限活用することが基本方針。
Broadsheet の取材によると、什器・棚・ベンチ・照明器具に至るまで廃材や切れ端 (offcuts) を用いた手づくりのものが多く、既存資源を活かす取り組みが徹底されているとのことです。
【参照URL】Wilson Coffee Is a Social Enterprise Cafe Pop-Up in a Surry Hills Laneway
建物そのものは、19世紀後期には 「Wilson’s Steam Laundry」(蒸気洗濯場)として使われていた歴史を持つという記録もあり、その古い建物をカフェへと変換したそう。

そのため、店内には、レンガ壁、むき出しの梁、既存のファンやライトを活かした照明など、クラフト感と時間の痕跡を感じさせる要素が随所に見られます。
Wilson Cafe:店舗情報

住所
35 Richards Ln, Surry Hills NSW 2010
ライトレール「Surry Hills」から徒歩6~7分
営業時間
- 月~金:6:30am ~ 3:00pm
- 土曜:7:00am ~ 2:00pm
- 日曜:8:00am ~ 2:00pm
公式サイト:Wilson cafe

Surry Hillsのメインストリート「Crown Street」沿いのShannon Reserve(公園)から見える「Coffee」の建物です。
最後に:カフェ激戦区サリーヒルズに佇むWilson Cafe

シドニー・Surry Hills のカフェ競争が激しい中で、Wilson Cafe は「おしゃれカフェ」を越えた存在感を放っています。
裏道の隠れ家のような立地、独自の空間づくり、社会貢献を前提とした経営スタンス、そして確かなコーヒーの味。
「訪れる価値」が滲みでる場所だと思いました。
スタッフの方たちも親切でフレンドリー。
近いうちにまた訪れたいカフェです。